わらべうた程度の重さで口をついて

エッセイと、時々質量140字の文章。

永遠の陽炎

あなたに指を差してもらう、陽炎になりたかった夏があったんだ。
影を侍らす人が、いるのかいないのかもはっきりしない、概念みたいなものになれるわけないが、その夢はあなたを殺す心配の無い夏にしか抱けなくて。
きっともう時効になっちゃったなあ。
僕はもう、永遠に陽炎にはなれないのだなあ。